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5. 形容詞・副詞・助詞の話し

5.2 形態素解析の位置づけ


5.2.8 文書の校正に使うときの辞書も要ること

 ワープロは、文書を作成する道具です。文書の文字列だけの作成作業に特化したソフトウエアが、テキストエディタです。ワープロの使い方を覚える教育過程は、最初にテキストエディタの使い方から始めると効果的です。現在のワープロは、見栄えのよい印刷を作成することが最終目的です。文字並びについて、簡単な文書校正の機能も備えるようになってきました。英文では、spell checkの機能がそうです。英文は単語単位で分かち書きをしますので、辞書の中の語彙に無い英字綴りは、誤りの可能性があることを警告表示してくれます。このとき、イギリス英語か、アメリカ英語かで、辞書の語彙が違います。例えば、「centre・center、harbour・harbor、programme・program」があります。日本語の場合、分かち書きをしませんので、普通には使うことがない仮名文字並びに、誤りの警告を出すのがspell checkに当たるでしょう。専門用語を使うときは、同音意義語、または、間違え易い語彙の辞書を別に作成しておいて、そこにある語彙と一致すれば、誤用の可能性を警告させるようにできます。そうすると、例えば、「人工衛星」と書くべき個所が「人口衛生」となる誤用を指摘するには、「人口」と「衛生」とを間違え易い語彙の辞書の方に登録しておきます。差別用語の扱いも、同じ扱いができます。文書の作成作業と校正作業とでは辞書の種類も使い方も別になりますので、校正用のソフトウエアツールは別作業で利用するのがよいでしょう。校正作業は、漢字仮名交じりの文字列を対象とした形態素解析になります。このときの問題には、動詞や形容詞に適切な送り仮名を付けることがあります。
2010.5 橋梁&都市PROJECT

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