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7. 外国語としてのプログラミング言語

7.5 形容詞の扱いが必要になったこと


7.5.1 GUIの環境を構成するプログラミング

 オペレーティングシステムがWindowsのようなGUIを採用するようになって、コンピュータは、数値計算の道具としての使い方から、擬似的な装置(シミュレータ:simulator)の使い方が標準になりました。グラフィックスモニタ上に種々の擬似的な装置(オブジェクト:object)の図柄を表示して、主としてマウスを使って選択をすることでコンピュータとのインタフェースを取ります。ここで使う用語のオブジェクトは、元の英語の意義の「物」の意であって、動詞の目的語と同じ原義です。日本語に訳した文法用語の目的語は巧みな訳語ですが、動詞が対象にする「物」が原義です。ただし、対象には人も生物も、また抽象的な事象も含みます。グラフィックスモニタ上のオブジェクトは、それを表示する作図データと、どのような機能があるかの定義を利用して、ユーザインタフェースのプログラミングを追加しなければなりません。Visual Basic 6.0 (2010年時点)では、従来の方法で作成したプログラミングのソースコードを標準モジュールと言い、フォーム単位でオブジェクトの扱いをするソースコードを、フォームモジュールとして別に追加する方式になりました。簡単な処理は、フォームモジュールだけで済ますことができます。オブジェクトの種類が多くなりましたので、Visual Basicの参考書は、オブジェクトを使うプログラミング(オブジェクト指向プログラミング)を主題とするようになって、基本的な標準モジュールのプログラミングの説明が丁寧ではなくなりました。
2010.7 橋梁&都市PROJECT

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