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2. 日本語文書の構造

2.2 文体と口調


2.2.3 話し言葉で文書も書くこと

 筆者の文章を読んで下さる方は、ほとんど、当然ながら日本語の環境に居ると考えています。上で説明したように、文書を黙読しているときであっても、頭の中では音に直して理解します。読み方が分からない漢字や文字並びの個所で、読みが中断し、どう読むのかを考えることが起きます。筆者の文体は、話し言葉で文章化するようにしてあります。句読点は、声に出すときの自然な息継ぎを意識して、比較的短い文で区切ってあります。漢字は音読みと訓読みが混じりますので、読みを助けるために、括弧で振り仮名を付けることもしてあります。自分で書いた文章を何度か読み返して、音の繋がりが不自然に感じる個所を修正しています。読みを助けるときの重要なキーが、句読点だけでなく、漢字の使い方、送り仮名の付け方にもあることが、経験的に分かってきました。常用漢字の範囲で使う熟語は、素直に読めます。しかし、人名や地名などの固有名詞には、常用漢字外も表れますし、また特別な読みもありますので、そこで読みの中断が起こります。カタカナ用語は、元の言語の意味とスペルを知っていないと、突っかかります。専門用語で、当用漢字にない漢字をひらがなに置き換える場合も抵抗を感じます。単語の切り分けができ難い、長いひらがな綴りも読みのためらいが起こります。第三者に見てもらう、その第三者をコンピュータとし、コンピュータに作文添削と知識を教えるとことが、筆者の研究目的の一つです。
2010.2 橋梁&都市PROJECT

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