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12. 実用文書作成と話し方

12.4 エピローグ


12.4.6 感覚的理解が必要になる語を省くこと

 実用文書は相手に読んで理解してもらうことですので、自分側が感覚的、感情的に理解していることを、相手も同じように理解するとは限りません。五感と感情に関わる形容詞、副詞、動詞は、自己主張の意義がありますので、客観的な比較ができる言い方以外は、省きます。感嘆詞的な「すごい・格好良い」などの形容詞は、若者が好んで使いますが、何も実質的な意味がありません。動詞の「思う」は日本人が好む語です。これは英語では「I think」に当たり、自己主張の言い方です。論文やレポートは、作者の自己主張の意義があります。客観性を出そうとして「思われる」の受身表現で丁寧に言い方にする例を見ますが、英語のthinkを受身形で使うことはありません。これらの項目は、自分の原稿を、日を置いて何べんも読み返していて発見されます。
2010.12 橋梁&都市PROJECT

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