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4. 動詞の話し

4.4 状態の違いを表す言い方


4.4.7 使役は自分に代わって誰かにしてもらうこと

 使役の動作を表す「せる・させる」を付ける元の文は、主語が必ず生物です。主語(人)の動作を別の人にしてもらうことを、主語が言う言い方が使役です。無生物が主語であれば、使役形の態はありません。英語ではlet, make, haveを使役動詞に分類することをします。文語的な言い方に「〜をして〜だれそれに〜をせしむ」があります。この文は、第三者が間に居る言い方です。直接に動作を促すことが命令です。使役は、結果的には命令ですが、間接的な状態描写を言う静的な言い方です。「歩かせる・読ませる」と言うとき、相手がその動作をするか・しないかの自由度があります。日本語動詞の活用形に、強制の意味を持つ命令形がありますが、単独で他の活用形と区別できませんので、言い方を工夫して命令の意思を伝えます。現実に人と人が接する修羅場では、間接的な物言いは、誤って相手に伝わることがあります。命令形の言い方は英語では、主語を省いて動詞を文頭に置くことで命令文ができます。主語を立てて助動詞のshallを使う言い方もあります。
2010.4 橋梁&都市PROJECT

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