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10. 幾何モデルのデータ構造の概説

10.2 リストの意味


10.2.6 定義と宣言との区別を使い分ける

 コンピュータを使うときは、利用する単語の、定義(definition)と宣言(declaration)とを意識しておかなければなりません。言語の大本の定義は、規格や仕様書で決めます。その言語を理解するソフトウエアが、コンパイラやインタプリタです。このソフトウエアを実行状態にするには、定義済みのコマンド(プログラム名)を入力することですが、これが、プログラムの実行をコンピュータ向けに宣言しています。実行状態になると環境が変わり、コンピュータ側は、そこで利用できる定義済みの別の予約語を理解するように変わります。ユーザが変数などに付ける名前は固有名詞の性格を持つ一種のニックネームですが、これをコンピュータ側に知らせる宣言文を、プログラムコードの最初に置きます。コンピュータに作業を指令するときの文の基本形式は、予約語として決まっている動詞が先行した命令文です。SQLでは、これを、二つのカテゴリに分けています。データ定義言語(またはスキーマ定義言語、DDL: data definition language)と、データ操作言語(DML: data manipulation language)です。まずDDLについて言えば、これは、データベースを最初に構築するデザイン段階で必要な処理です。CREATE文がそうです。言葉を厳密に使う場合には、定義済みのデータ型を利用して、データ変数の名前を宣言することです。一般のユーザは、データ定義と宣言とが既に決まっているデータベースを利用しますので、特に意識する必要がありません。プログラマが具体的にデータ内容を問い合わせるプログラミングをするときには、このデータ定義と宣言を理解しておくことが必要です。
2010.10 橋梁&都市PROJECT

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