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6. 文書の作成技術

6.6 組み版言語


6.6.3 文字コードの問題が発生したこと

 編集から印刷までの作業をコンピュータ化するとき、閉鎖的・独占的な (exclusive)環境で利用しているときには、文字コードと字形との対応を自前で決めて使います。マイクロコンピュータを利用したワードプロセッサ専用機が1980年代に多数発表されましたが、各社のファイル仕様が別々でしたので、ファイルに納めたフロッピーディスクを介して文書での情報交換が簡単にはできませんでした。編集と印刷作業を分離し、電子化した原稿を別の工房で利用しようとなると、コード系の違いは文書の再現の大きな障害になります。加えて、文字データを通信回線で送受信するときの問題もからみます。E-mailでの文字化けがそうです。コード系の標準化の努力がなされてきましたが、ソフトウエアでの文字コード変換機能が強力になってきましたので、一般ユーザの眼の届かないところで実質的な標準化が進んでいます。しかし細かな点で、文字コードと字形の違いもあります。一つの例として、日本語用のパソコンでは、アスキーコードの半角バックスラッシュは、"\"で表示されます。プログラムソースコードをモニタで見るときやプリントをするときに文字が変ります。
2010.6 橋梁&都市PROJECT

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