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7. 外国語としてのプログラミング言語

7.3 動詞の意義と使われ方


7.3.8 プログラマが決める動詞的な用法がある

 上の割り算の説明で使った、Divideは予約語です。一つの文ですが、コンピュータの処理は、演算と結果の格納との二つの単位から構成されています。引数の文字記号を3つ使いますので、この文に先行してA, B, Cの名前と型の約束(宣言)をしておき、さらにA, Bには数値を代入しておく処理が必要です。つまり、Divideは、動詞の命令形の意義を持ちますが、コマンドとはしません。プログラミングをするとき、プログラマ側は、何かの処理名を決めて、動詞の命令形の形で使いたいことがあります。日本語で言うと「何々する」とする動詞的に使うときの「何々」に当たります。この目的のためのプログラミングが、サブプログラムの作文です。命名はプログラマの裁量です。例えば、上の割り算処理をサブプログラム化したいとき、Visual Basicならば、次のように書きます;

Public Sub WARIZAN(A as Integer, B as Integer, C as Double)
C=A/B
End Sub

これを別のプログラム単位から呼び出す場合には、Visual Basicでは二通りの書き方が使えます。

 ・書き方1: Call WARIZAN(ValueA, ValueB, ValueC)
 ・書き方2: WARIZAN ValueA, ValueB, ValueC

書き方1は、予約語のCallを文頭に置きますので、WARIZANが予約語ではないことが分かります。書き方2では、予約語であるかないかは、すぐには分かりません。予約語は、プログラミング言語本体が持っている単語です。しかし、商品としてのIDEの環境では、ユーザの便宜を図る目的で、定数などがライブラリ化されていることがあって、断りなしに使える名前があります。例題のプログラムを見て勉強しようとするとき、その名前がどこで宣言されているのかが分からなくて、結果的にプログラムの構成が理解できないことも経験します。
2010.7 橋梁&都市PROJECT

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