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6. 文書の作成技術

6.1 文書に作成する意義


6.1.1 言葉を文書にして残すこと

 この章は、最後の第6.6節の編集記述言語markup language(ML)の説明を目的とするのですが、その前に、少し遠回りをしますが「文書をどのように作成するのか?」その一般的な解説から始めます。そもそも、声に出して言う言葉は音の並びです。一過性の現象、つまり、その場限りであって、物理的には何も残りません。社会生活では、文書にしたものを信用の置ける情報とします。テープレコーダなどを始め、種々の電子化媒体が開発されましたので、音声そのものを記録して再現することができるようになりました。しかし、紙以外、眼に見えない媒体を使う記録方法があっても、紙に再現した文書にすることで、始めて保存に耐える記録として残ります。ラジオ・テレビの報道は一過性ですので、うわさ話として話題にできても、紙として残す新聞・雑誌の情報の方を記録として使います。コンピュータの利用は、大量の情報を種々の記憶装置に保存し、処理結果をモニタ上で確認するだけで済ませ、必要に応じて用紙に印刷することが普通になってきました。モニタ上の画像をソフトコピーと言い、これも一過性です。記憶装置内にあるデータは眼に見えませんので、紙に印刷しない限り、存在しない情報です。学術論文の発表を雑誌形式で出すことをやめて、電子出版に切り替えることが多くなりました。しかし、どこかで紙の形で保存をしておく必要があります。こちらをハードコピーと言います。 
2010.6 橋梁&都市PROJECT

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