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8. 論理を表す文と式

8.4 プログラミングに使われる修辞学


8.4.2 数値計算の判定には三分法も利用している

 コンピュータの論理処理は、ブール値を基本に使いますので、結論(真偽)が明快に得られます。これを判定の二分法と言うことにします。論理の進め方は、論理数学の演算則を採用しますので、論理式を使った過程に修辞学的な言い換えがあっても結論は、変わりません。そのため、プログラミングの文構造としての分かり易さを図るため、幾つかの論理学的な演算則が応用されます。よく使うものは、「ド・モルガンの法則」と「否定の否定は肯定」を使った論理式の書き換えです。数値計算の結果を利用するとき、或る位取りのところで四捨五入のような丸め処理をします。位取りの最後の桁には±0.5の曖昧さが含まれます。丸めの幅のことを閾値(しきいち:threshold))と言うことがあります。例えば、実数の集合を整数に丸めると、数値は(正負と0)の三通りに分類されます。これは、三分法です。この方法は、理論と言うよりも実践技術ですので、数学の参考書に説明が載ることはありません。会計計算では、丸めの規則が厳格に決められていますので、計算結果の正誤も明快に判定できます。
2010.8 橋梁&都市PROJECT

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