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1. 言語学が関与する環境

1.2 道具としての文字


1.2.4 英訳には翻訳調の文体があること

 英語は、文字種と語順との二つが日本語とは異なりますので、翻訳は二段階で行われます。一つは単語単位を日本語に直すこと、二つに語順を変え「てにをは」と「活用語尾」を補います。英単語に相当する日本語が無いとき、読みをカタカナ語にして済ますことが増えました。元の英語を知っているときは、何とか意味を理解できますが、そうでないときは困りものです。語順を変える言い方は、翻訳調と言う独特の言い回しを生みました。特に、英語の関係代名詞を訳すとき、語順を変える個所で表れる「…するところの…」「…するものとする」などの言い回しがそうです。英語を日本語流に習った年代の人には抵抗がないのでしょうが、庶民レベルの言葉遣いとはズレています。
2010.1 橋梁&都市PROJECT

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