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4. 動詞の話し

4.1 品詞に分けるときの動詞


4.1.1 日本語の動詞は活用させて別品詞としても使う

 動詞は、言語間(日本語、英語など)で違いが大きい品詞です。言語間で比較するとき、単語単位で品詞に切り分ける方法は、必ずしも適当ではなく、動詞句または述部のように大きな枠組みで考えることの方がよい、と筆者は考えています。言語学的な品詞分類の考え方は、歴史が高々100年と浅いので、漢和辞典は漢字を品詞で分類していません。中国語は、動詞の意義がある一字の漢字を、熟語構成や文中の位置で、動詞や名詞に使い分けます。英語の動詞も、同じ使い方をします。人称・単複・時制・能動受動・肯定否定の別などで変化させます。これが活用(conjugate)です。文字のスペルが変化し、be, haveなどと合わせて2語以上で構成することもしますが、その全体が動詞です。日本語動詞の活用形とは、変化をしない語幹を軸に、別の文字や語を繋ぐ目的をもって送り仮名が変化する、そのときの個別の形を言います。つないだ一かたまりは、別の品詞の性質にもなります。文書に書くとき、語幹に漢字を当てると意義を限定できます。送り仮名を余分に付けたり、また省いたりすると意味を正しく表すことができません。これが送り仮名の付け方の約束を構成します。ただし、不規則動詞のサ変とカ変は、語幹も仮名書きをします。「仕分ける」の「仕」は、音読みの「し」を当てますが、「する」の連用形ですし、「つかえる」の訓読みが別にありますので、仮名書きの方が理屈に合います。「くる」も漢字の「来る」をあてない方がよいでしょう。 
2010.4 橋梁&都市PROJECT

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