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11. グラフィックス言語の解説

11.2 図を描く装置


11.2.4 作図のソフトウエアが二系統あること

 プリンタが文字の印刷に、プロッタが線図の作成に特化していた頃は、装置の動作原理の違いに合わせて、書き出し命令が異なっていました。プロッタの開発はプリンタよりも後です。プリンタを使う標準的なコンピュータの機器の構成から見れば、追加のハードウエアとソフトウエアが必要です。現在(2010)ならば、これがオブジェクト指向プログラミングである、と説明するところです。プロッタは種々の会社が開発し、また、ビットイメージを扱うCRTモニタを、プロッタに作図する前の観察(モニタ)用にも、また表示装置(ディスプレイ)としても使うなど、装置の種類が増えました。作図のソフトウエアには、線図用(line drawing)と、濃淡図用(painting)の区別がありました。そうすると、ユーザレベルでは、装置違いで別のソフトウエアを使うため、プログラムの書き換えが必要になる問題が顕在化してきました。この解決を図ることが、標準化したグラフィックス言語を提案することと、その受け皿としてのデバイスドライバの利用です。しかし、この問題は簡単には解決できませんでした。それは、作図原理として、線図を主に考えるか、ビットマップ(bitmap)で作図領域全体を構成する方法とでは、作図データの準備も、また作図方法も異なるからです。製図では文字も記入する必要があります。これも、小単位のビットマップとして扱う場合と、線図で書かせる方法(図1.1参照)とがあります。
2010.11 橋梁&都市PROJECT

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