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11. 二平面の交差計算と応用

11.1 立体幾何学の感覚的な理解


11.1.2 平面を理解したいときは紙状のモデルを描く

 幾何学で言う平面は、眼に見える実体とは違いますので、平面そのものを投影図で表すことはできません。これでは説明に不便ですので、実体を持った切り紙を空間に置いて、その切り紙が持つ平面の性質を使って、間接的に平面を表します。切り紙は、或る有限の寸法を持たせますが、その外形寸法の外側にも平面の定義が伸びている、と解釈します。空間に在る切り紙を投影図に描くとき、どのような投影法を採用するかについて、幾つかの工夫があります。補助的に使う平面には、投影図の作成原理に使う投影面があります(図7.1参照)。三次元の世界座標を考えるときに、三つの互いに直交する座標平面を考えます。投影図に描くときは、この座標平面に有限寸法の切り紙を当て、互いに直交させた図で表します。一般的な向きを持つ平面を擬似的に表す方法は、既に「第2章:図形要素の代数的表現、2.3節」のところで解説しました。面の位置と向きを表す正方形の切り紙を、面を代表させる図形として投影図で表しました(図2.4)。第4章の図4.9図4.10は、三角錐の外接球と内接球を扱うとき、平面の交差計算が必要ですので、補助的に平面の一部を構成する切り紙を描いてあります。やや判じ絵のようになりますが、納得の上で見て下さい。
2008.11 橋梁&都市PROJECT

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