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11. 二平面の交差計算と応用

11.1 立体幾何学の感覚的な理解


11.1.3 空間の線分を投影しても判じ絵になる

 立体的な世界に定義する三次元の直線も、平面と同じように、具体的に捕らえ難い幾何学的要素です。無限に伸びる直線の代わりに有限長さの線分に置き換えて理解し、線分を投影図に描くことはできます。直線線分(より具体的には、と使います)の言葉の使い分けは、ここでは平面の使い分けと同じです。同じように、頂点とも使い分けます。単純に「点」と使うときは場所を表す幾何学的概念とし、実体を考えません。頂点は図形要素の扱いをしますので、例えば、或るしきい値の寸法を持った有限区間の場所を持つとします。つまり、線分や頂点は図形要素であって投影図に表して理解することができるとします。ただし、二つの線分があって、それらの立体的な位置関係は、単一の投影図では分かりません。図学の基礎は、二つの投影面を使って空間の線分を表します。空間の線分が分かり難いことの理由は、投影図で二線分が交差した図になっても、空間的には捩れの位置関係になっていて、交わっていないことがあるからです。多角形状の切り紙を投影図に描くと、平面の性質と直線の性質を同時に表します。多面体は、形状や向きの異なる複数の切り紙の集合と考えることができますので、ここで始めて立体的な関係を、やや具体的に理解することができるようになります。
2008.11 橋梁&都市PROJECT

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