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15. 隠れ面と隠れ線処理

15.2 多面体の隠れ線処理


15.2.3 計算幾何学的には隠れ線処理に挑戦する

 コンピュータグラフィックスを楽しむだけであれば、なるべく単純なアルゴリズムを採用するのが勝ります。隠れ線処理をしても、図形としての座標データを後で利用したいときは、辺の交点を計算しなければなりません。この利用の一例は、第8章、図8.7、図8.8に比較して示しました。この処理をするときは、最初に投影図に変換した辺のデータの交点を求めます。次に、この交点の平面図形上の位置が、元の立体図形での三次元的な位置関係、つまり、視点からの奥行き座標を求めます。平面図形では一つの点ですが、立体的には二点が重なって見えています。この二点は、交差を計算する辺が属する面の、面方程式を元にして、その面上に交点が載るとして奥行き座標を計算します。これは投影変換の逆変換ですので、平面データを視点座標系に変換するときに、面の三次元的なデータを保存しておきます。平行投影の場合には、奥行きデータは、第11章、式11.4を変形すれば得られます。中心投影の場合には、面の向きが視軸と平行に近くなるとき、平行投影ならば見える向きの面も、視点からは外側に向いて見えなくなる場合がありますので、透視図での隠れ線処理に工夫が必要になります。
2009.3 橋梁&都市PROJECT

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