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15. 隠れ面と隠れ線処理

15.2 多面体の隠れ線処理


15.2.2 濃淡図を使うと面の立体的な関係を表すこともできる

 モニタは、色の区別と共に濃淡レベル(コントラスト)を変えて領域(面)を塗りつぶす方法で、立体感を持たせた多面体の作図ができます。面の境界線を描かないと、見た眼に滑らかな曲面を近似的に表すことができます。多面体であることを強調するように、辺を線図で描きこむこともします。しかし、プログラミング上では独立した処理です。モニタを使って、線図描きと同じように隠れ線処理をするときは、視点から遠くにある面から順に、外形線を黒で描き、領域を色(通常は白)で塗り潰します。そうすると、相対的に手前側の面と外形線を描くときに、ハードウエア的に隠れ線処理ができます。面を塗り潰しで描く必要があることが上の隠れ線処理と異なるところです。幾何モデルを考える三次元的な座標空間を(x,y,z)として、視点と個別の面との平均的な奥行き距離の方向にz軸を当て、この奥行き距離zを作業用領域(バッファー)に作成しておきます。この奥行き距離順に面の番号を並べ変えておいて、面単位の領域を塗りつぶしで作図します。このアルゴリズムを、通称でZバッファー法と言います。ここでのZは、座標軸の記号名から言うのですが、他の座標軸方向を考えることもありますので、デプスバッファー法、または奥行きバッファー法と言い代えることもあります。
2009.3 橋梁&都市PROJECT

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