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8. 二直線の交点計算と応用

8.5 投影図の隠れ線と隠れ面の処理


8.5.4 立体感覚を補う作図

図8.7 隠れ線処理をしたデータの作図例:見える面の全データは残っている
図8.8 隠れ面処理をしたデータの作図例:地図モデルになっている

 多面体の投影図を隠れ線処理で投影図のデータに変換するとき、地図モデルに変換する前段階に留めておいて、立体的なデータ構造を保存しておく方法があります。コンタアークと交差し、その下側に潜り込む辺は、交点で分割しますが、見えなくなる辺もデータとして残し、必要があれば破線や点線で描きます。見える側は、コンタアークとの接続個所で、僅かに離しで線を引くと、相手側の下に入る辺であることを見る人に印象付けることができます。コンタアークは、その交点では上を通過する線であることを考えて、連続した線を引くようにします。地図モデルに変換して、コンタアークも交点で分割すると、立体的な感覚情報が失われます。第6章の図6.5は、立体感覚を助ける方法で作図されています。図8.7は、隠れ線処理をした作図です。線分が面の向こう側に入る個所で、線分に僅かの隙間を空けてあります。微妙な処理ですので、注意して観察しないとこの区別は分かりません。残りの、隠されている線もデータとして残してありますので、それを含めた領域のデータも残してあります。その部分をハッチングで表示してあります。つまり、面の方は隠れ面処理になっていません。これに対して、図8.8は、隠れ面処理をした図です。このデータ構造は地図モデルに変換されていて、隠される線分のデータは削除されています。図8.7の方で表示した領域にハッチングをすると、見えなくなった領域に線を引きません。
2008.8 橋梁&都市PROJECT

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