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6. 幾何モデリングの序章

6.4 幾何モデルの応用


6.4.3 立体図形の諸量の計算

 立体図形の表面積・体積・重心位置・慣性モーメント・主軸方向などは、まとめて図形の諸量と言い、英語では mass propertyと言うようです。これも計算幾何学的には三角錐の合成で扱います。三角錐単位での諸量の計算式も、計算幾何学に応用するように整理して利用します(*1参照)。幾何モデリングは、機械産業の分野で、特に金型の設計に広く応用されています。土木工学への応用は、これからの課題です。機械部品に比べると大きな寸法の構造を扱うことになるのが特徴だからです。一つの例は、コンクリートの消波ブロックのモデリングです(図6.5)。16ビットのパソコンを利用していた段階では、メモリの制限がありましたので、単体のモデリングはできても、これを複数並べて扱いたい実務の要望には答えられませんでした。現在の32ビットのパソコンは、メモリの制限が大幅に改善されましたので、複雑な構成のモデルに対応できるようになりました。透視図を作るだけでなく、重量計算は積算に使えます。表面積は塗装面積を求めるときに応用できます。なお、展開図は、コンクリート製品の型枠形状を設計するときに応用ができないものか、と考えています。

図6.5 コンクリートで製造する消波ブロックのモデル
2008.6 橋梁&都市PROJECT

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