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7. コンピュータグラフィックスの基礎

7.1 投影法の原理


7.1.1 正しい図形を描くこと

 幾何学は図形を扱う学問ですので、図を描いて説明しなければ話になりません。計算幾何学はコンピュータを使う幾何学ですので、コンピュータを使って図を描かせること、つまりコンピュータグラフィックスは必須の道具です。その利用目的は、美しい芸術的な作品を作成することに在るのではなく、幾何学原理的に正しい図形を作成することにあります。これにはトポロジー的に矛盾が無いことも含ませます。正しい図形は、投影原理と作図規則に忠実な図を指し、漫画やイラストにあるような、人の注意を引くデフォルメ(変形)や強調をしないことです。しかし、座標などの数値を正確に求めるとしても、コンピュータで扱える数の精度に限度があります。線を引くにしても線の太さや作図装置の解像度などで位置の正確さが失われます。したがって、正しい図形を表して利用するためには幾つかの条件を伴いますし、図を判断するときにも、その条件を理解して誤解しないようにしなければなりません。ここでの解説は第一章と重複しますが、数値の扱いに焦点を置いて、おさらい的に再掲します。
2008.7 橋梁&都市PROJECT

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