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13. 透視図と射影変換

13.2 平面図形の射影変換


13.2.1 射影変換には座標系の約束を使い分ける

 射影変換は、代数的には非線形(nonlinear)の変換です。二つの平面図形の関係に射影変換の対応があるとき、その原理は、イラストを使って説明できます(図13.4)。平面図形の射影変換の原理は、「三次元空間に在る、紙の上に描かれた、元になる平面図形を、斜めの向きからカメラを使って撮影して得られる透視図」として説明すれば、感覚的に理解することができます。図13.1で、直方体の正面(網掛け部分)が、図13.2と図13.3のように変形する変換です。カメラのフイルム面が投影面であり、射影変換の変換先です。視軸は、カメラの座標軸の一つとして明確に意識します。視軸は、フイルム面の中央を垂直に通ります。投影面を斜めで扱うのは、あおりを使う写真(第7章、図7.4参照)と同じであって、視軸が通る位置がフイルムの中心から外れている場合です。射影変換を扱う幾何モデルは、三次元空間に二つの面(図形が載る面と投影面)を置き、幾つかの座標系を決め、それぞれの面上に在る図形を座標で表すようにします。射影変換が面倒な理由は、座標系を決める幾何モデルの考え方が幾つか有り、また、幾つもの座標変換が介在し、それが直交座標変換でない場合もあるからです。
2009.1 橋梁&都市PROJECT

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