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13. 透視図と射影変換

13.1 透視図法


13.1.2 コンピュータを使うと透視図は簡単にできる

 図学で扱う、やや古典的な透視投影法は、座標軸の束を補助線的に使う初等幾何学的な作図法を提案しました。しかし、図13.1〜13.3に見るような、座標軸の束を表す補助線や消点をどのように決めるかと言うところで、実用的な透視図の作図技法、または教育手段が途切れます。座標幾何学を使うと、透視図の下書きに当たる上述の補助線を計算できます。その計算にコンピュータを利用すれば、数値計算の面倒さが軽減されます。デザインに応用するときは、図13.1のように、作図を助ける補助線を描いた図を下書き用に作成しました。座標系を考え、立体図形を幾何モデルで表すようにすれば、最初から透視図の下書きができます。ここに計算幾何学が応用されます。ただし、見映えのある投影図にするには、絵心を持って手を加える必要があります。この部分まで、コンピュータグラフィックスが便利に使えるようになってきました。小学生でも使えるような便利さは大切ですが、もともとの作図手順(アルゴリズム)について、基礎的な知識をどこかで埋めておく必要があります。透視図の学問部分が数学的な射影変換ですので、この第13章と次の第14章をこの解説に当てます。説明のため、マトリックスを使う代数式を使いますが、数値計算用の実用式は別にまとめます。
2009.1 橋梁&都市PROJECT

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