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22. 数値解析とグラフ化

22.3 元データの恣意的な補正


22.3.2 順序グラフを滑らかなグラフに補正する

 理想的な順序グラフ(図22.1)は、滑らかな一様増加関数です。振動測定のアナログ事象をデジタル化すると、測定レベルにもよりますが、同じ座標値が幾つも得られますので、順序グラフは階段状のグラフになります。ヒストグラムを作図するデータとしてはこれでも充分ですが、滑らかな一様増加を示すグラフに当てはめる方法も考えておきます。一つの方法は、第一段階として、測定データに乱数を使って微小な実数値の揺らぎを加算しておき、同じ座標値が出ないようにしておいて、順序グラフを作ります。第二段階は、マクロには階段状の順序グラフを、フィルタまたはウインドウを通して滑らかに摺り合せます。平滑化に使う実用的な計算方法は、隣接する3ないし5の座標値に重みをかけて平均値を計算します。第三段階は、補正した順序グラフの数値を、元の測定データの値に戻します。このように補正した波形グラフを、スペクトル解析などに載せます。
2009.10 橋梁&都市PROJECT

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