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22. 数値解析とグラフ化

22.3 元データの恣意的な補正


22.3.3 電子回路は不安定な装置と考えること

 電気の流れは、ミクロのレベルでは電子の粒の動きですので、滑らかな流れではありません。高品質の電子回路を作成するとき、これが雑音発生の原因となります。しかし、この雑音を積極的に利用することもあって、アナログ計算機では電子管式のランダム波発生器が使われました。ランダム波は、コンピュータの数値計算でも必要ですので、こちらは、ソフトウエア的に擬似ランダム関数を利用します。擬似と付くのは、これが理想的な乱数ではなく、特殊な関数として作成されているためです。周期は長いのですが同じ数列並びを再現する性質があります。電子の運動は熱の影響を敏感に受けることから、電子・電気的な測定装置は、全体の温度上昇などでアナログ的な性質の動作は安定ではありません。一般の人は、科学技術的な測定とコンピュータ処理とを過度に信用する傾向がありますので、測定装置と付き合う態度を理解してもらうには、できるだけ丁寧な説明が必要です。
2009.10 橋梁&都市PROJECT

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