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22. 数値解析とグラフ化

22.3 元データの恣意的な補正


22.3.4 雑音分を抑える工夫が要ること

 振動現象の測定に使う測定器全体は、測定目的に合わせた振動数の範囲をシステム的に決めて構成します。測定器のメーカー側は、多目的の利用を考えた製品を出荷しています。ユーザ側は、測定目的に合わせた調整、いわばチューニングをしなければなりません。これには、かなり専門的な知識が必要ですので、一般向けには、あらかじめ調整済みのシステムを提案するのが親切です。橋梁の振動測定を例とすると、100Hzを超える振動は、部材を伝わる音のような縦波が主になりますので、横振動に注目したいとなると雑音成分です。電子回路でこれを除くのがフィルタです。振動データをデジタル化してサンプリングする周波数を200Hzに設定すると、数値解析的には100Hz以上をカットできます。振動データのサンプリングの場合、サンプリング周波数よりも高い周波数成分があると、見かけ上、低周波のデータとして折り返して記録されるエイリアシング(aliasing)による誤差が入ることがあります。こちらはサンプリングする前の電子回路側でハイカットフィルタを設定しなければなりません。
2009.10 橋梁&都市PROJECT

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