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22. 数値解析とグラフ化

22.2 順序グラフの図形的な特徴


22.2.3 順序グラフを微分した形も特徴があること

図22.2 順序グラフを微分して得られる分布グラフ
 理想化した滑らかな順序グラフ図22.1の微分で得られるグラフを、図22.2に模式的に示します。これが、統計処理の方で言う確率分布と同質のグラフですので、分布グラフと言うことにします。横軸が事象の大きさ、縦軸がその大きさのデータ個数です。データ個数が有限である場合の離散的なグラフ表現は、棒グラフで描き、通称で言うヒストグラムです。データ個数が多い場合には、全体グラフの面積が1になるように標準化すると、グラフの縦軸が個数の確率的な密度分布を表します。
  • 図形(1)は、元のデータ数値が、最小値から最大値まで、一様分布であることを示します。グラフの左右両側を描きませんが、ここは0扱いの区間であって、その区間の事象がないとします。
  • 図形(2)は、横軸の最大値と最小値の個所にデータ個数が集まり、グラフが極大になる位置が左右2箇所です。上と同じように左右に0区間が接続しています。極値解析は、この性質を持つグラフの右側(または左側)半分だけに注目します。そうすると、グラフが極大になる個所が、右寄り、または左寄りの非対称な分布を示します。
  • 図形(3)は、正規分布に近似できる事象を示します。数学的に考える正規分布は、横軸を(−∞、+∞)の区間を扱います。しかし、実践的なデータは、最大値と最小値の間の有限区間での曲線を考えます。グラフが極大値になる位置は中央の一箇所であることが、図形(2)の場合と異なります。
2009.10 橋梁&都市PROJECT

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