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11. 二平面の交差計算と応用

11.3 二面の交差線を計算するアルゴリズム


11.3.1 面の交差は有限寸法の図形の干渉で扱うこと

 幾何学的に約束した無限に広がった二平面は、厳密に平行でなければ、必ず交差が起こります。しかし、有限の寸法を持った二つの切り紙モデルは、空間的位置にズレがあると、交差しない場合もありますし、交差する区間が限られることが起こります。図11.1のような多面体の干渉を求める場合、面について、実際に交差する区間を求め、面の形状を変更しなければなりません。例えば、図11.2の多面体の天板面と手前の側板面で見るように、元の正方形面の角が欠けます。これは、多面体を紙細工で構成してあると考え、個別の面を切り紙として取り出し、元の正方形のを部分的に切断し、交差辺を追加する処理です。加工を加えた切り紙から、再び紙細工に組み立てるとき、構造的に矛盾しないようにします。GEOMAPでは、切り紙単位を表す面は、面を左に見るように辺をたどって周回するデータ構造に作成します。二面の交差処理は、二平面の交差計算を踏まえる必要があります。しかし、この幾何学的処理は、全体のプログラムステップの中では僅かであって、大部分の処理は、データの追加・削除・並べ替えなど、トポロジー的な性質に関係します。前の第10章は、面・辺・頂点のデータをリストセルに作成しておいて、ポインタの付け替えなどで弾力的に対応させる方法の解説ですので、この章の前に説明しておく必要がありました。具体的にアルゴリズムを解説することが、この章の目的です。多面体の干渉処理は、多くの問題がありますので、次の第12章にも解説が続きます。
2008.11 橋梁&都市PROJECT

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