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11. 二平面の交差計算と応用

11.2 面の交差


11.2.5 二平面の交差でできる直線をベクトルの計算で求める

 二平面の交差で得られる直線を表す式(11.3)において、単位ベクトルeは、二平面の法線ベクトルn1n2と直交する性質がありますので、ベクトル積n1×n2を計算して、長さを単位化すれば得られます。ベクトル積は交換則が成立たない演算ですので、n2×n1で計算すると、向きが反対になります。したがって、直線の向きを決める約束が必要になるときは、積の順序を約束して使います。交差で得られる直線の起点pは、二つの法線ベクトルの一次形式(p=u1n1+u2n2)を考えておいて、pがどちらの面上にも載るとする条件で二つの未知数u1とu2とを求めることができます。幾何学的に考えた無限に拡がった二平面は、平行でなければ空間のどこかで必ず交差が起こります。数値計算の場合には、ベクトル積n1×n2がアンダーフローのエラーを起こさない範囲で解が得られるようにします。しかし、図形としての面の交差を扱うときは、世界の範囲としきい値とを決めて、その範囲を外れる面の交差を扱いません。
2008.11 橋梁&都市PROJECT

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