目次ページ  前ページ  次ページ

6. 幾何モデリングの序章

6.3 幾何モデルの作成


6.3.6 三次元モデルから二次元モデルへの変換

 多面体の投影図を作成することは、計算幾何学的に言えば、三次元モデルから二次元モデルへの変換です。図6.1の個々の投影図は、平面図形モデルの切り紙モデルと地図モデルを作図した、と見ることができます。左端の斜投影図は、表向きの領域が6個、裏向きの領域が3個あります。投影図を作成するとき、多面体の各面は、畳み込まれた折り紙のように重なって視点側から見えます。平面図形の集合であっても、データ構造としては三次元的な構造を持たせ、手前側にある領域は、奥行き側の領域を部分的、または全部隠します。これを実現させるプログラミング技法を隠れ面処理と言います。線図で同じような処理をさせるときは、面で隠される側の線を描かないように切断する処理を余分に考えなければなりません。これが隠れ線処理です。実は、図6.1の斜投影図は、隠れ線処理をしなくても済む視点位置を採用しています。次の図6.2では同じモデルを別の角度から見た透視図で表現しているのですが、隠れ線処理を端折った図ですので、実線が部分的に消えずに描かれています。後の図6.3以降は、完全な隠れ線処理を済ませた投影図で作成してあります。
2008.6 橋梁&都市PROJECT

前ページ  次ページ