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6. 幾何モデリングの序章

6.3 幾何モデルの作成


6.3.5 データ確認にグラフィックスを応用する

 GEOMAPの主目的は、立体構造のデータを作成することです。この形状が実現可能な具体性を持っていることを確認する方法の一つが投影図に作成することです。図を描くことが主目的ではありませんので、美しい表現方法を工夫するコンピュータグラフィックスのツールよりも考え方を単純にした作図コマンドを準備してあります。また、作図に使う投影原理の方を重要に扱います。図6.1に示したように、作図は、工業製図の表現方法に応用できます。コンピュータグラフィックスを目的とするときは、色を使い分ける塗りつぶし(ペインティング:painting)の作図ツールが必須ですが、GEOMAPでは保守的な線図(line drawing)を主体とした作図法を採っています。カラフルな作品にしたいときは、形状データをファイルに保存して、別のグラフィックスツールで利用すればよいからです。線図で形状の投影図を作成するとなると、隠れ面・隠れ線の処理に多くのソースプログラムを書かなければなりません。その作成原理は、感覚的には簡単に理解できますが、実際のプログラミングは相当な難物です。このことも、計算幾何学の課題ですので、ずっと後の章で解説することにしています。
2008.6 橋梁&都市PROJECT

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