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6. 幾何モデリングの序章

6.3 幾何モデルの作成


6.3.3 多面体データの準備方法

 図6.1に示した立体図形は比較的簡単ですので、コンピュータに知らせるデータを、ユーザ側で準備する方法は、それほど面倒ではありません。最も原始的な方法は、あらかじめ補助的な投影図をスケッチに描いておいて、頂点に番号を振り、頂点座標を準備します。線図を描く目的だけであれば、辺にも番号を振り、どの頂点の対を使うかのデータが必要です。多面体では面の方に番号を振り、面を周回する頂点番号の並びで約束します。番号並びは、或る頂点を出発して面を左周り(反時計回り)とするトポロジー的な約束を必要とします。この方法は、辺を間接的に定義することになりますが、辺の番号付けはプログラム側に任せます。この方法を書式規則にまとめたものが、一般的に言えばグラフィックス言語です。GEOMAPでは、データ書式をREAD-DATA文で表し、GEOMAPのサブルーチンPHDFLをPBASICインタプリタのコマンドに組み込んで利用します。多面体の面を構成する一組の頂点座標は、空間的な一平面に載っている条件が必要です。この条件を満たすようにデータを準備することは、図6.1のようなモデルでは簡単です。しかし、後の、図6.5に例示した消波ブロックの形状データを、この原始的な方法ですべて準備することは、実際作業では殆ど不可能です。形状データを構成する考え方は、単純な形状の材料(プリミティブ:primitive)に切断・穴あけ・接着などの擬似的な加工(processing)を加えて、合成(synthesizing)する方法です。GEOMAPは、その方法でモデルのデータを作成するツールであって、Geometrical Modeling and Processingの意味を持たせた穂坂・木村の命名に由ります。
2008.6 橋梁&都市PROJECT

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