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3. 図形要素間の演算

3.6 連結を扱う演算の約束


3.6.1 線分は2点を結んで作ること

 幾何学では、「点と点とを直線で結ぶ・或る点から直線に垂線を降ろす」操作を頻繁に行います。図で描けば簡単な命題であっても、数値的に計算するとなると、手間がかかります。この操作を、図形要素変数間を「連結する」と捉え、この代数的な演算子に @ を当てることにしました。一つの典型的な例を図3.1に示しました。そのGBASICプログラムの文番号80に「E=P1@P2」とあるのがそうです。この式の右辺は、P1とP2とを結ぶことを意味させて演算子 @ を使っています。この演算そのものの結果は線分で得られていて、それを左辺の線分の変数Eに代入しています。演算子 @ は交換律が成り立たなくて、「P1からP2へ」の向きの約束を持たせています。ただし、図形的には「P1@P2」「P2@P1」は同じです。二点を通る無限に伸びる直線を求めるときは、直線の型を持つ変数Lを宣言しておいて、「L=P1@P2」とします。内部的には、一旦、線分として得られた右辺値を、直線の型Lに代入する処理が行われます。直線も内部的に向きの約束を持つデータ構造を持たせています。
2008.3 橋梁&都市PROJECT

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