橋の画像情報(総合)
PDF版へのリンク目録

中日本建設コンサルタント:電子版(初版 2018-11)

この文書は、不定期に改訂されます。改訂の日付にご注意ください。


0. まえがき

 橋についての情報を知りたい希望には、多様な切り口があります。橋の計画・設計・製作・架設・維持・管理などの工業技術的知見と同時に、地域の伝承・歴史・産業などと関係した人文地理学的な話題もあります。橋は地域密着型の構造物ですが、地元の人だけでなく、旅行者も含め、広く、興味と親しみを持たれています。したがって、橋の情報は、一般の人向けの観光案内的な利用方法も考えることができます。このとき、前もって何がしかの画像があると、具体的な実態を知るときに助かります。そこで、美術館や博物館で所蔵品の画像目録が制作されているように、大量の情報を紙の形で編集した百科事典風の目録を編集することにしました。この目録に使う画像の寸法は、参照したい橋の実態が分かればよいと妥協して、小寸法で編集します。用紙に印刷して手元に置く資料の場合は、名刺またはクレジットカードの寸法までが実用限度です。A4版の用紙1ページは、この寸法で6画像を収めることができます。約20ページ分、約100画像を目録にしてPDF版にまとめたものを情報単位としてWEBで公開することにしました。橋は地域密着型の構造物ですので、情報単位を、日本の橋では都道府県別にまとめました。世界の橋の情報は国別に編集しました。編集作業の経緯についての説明を解説編にまとめました。これは、英語で言えば Intoroduction です。教育目的の資料 tutorial として利用することも意図しましたので、最初に閲覧することを薦めます。

橋の画像の目録‐解説編

内  容

PDF版で10ページあります


1. 写真を主とした一覧情報

 写真が実用になったのは明治の初め頃からです。眼で見たありのままを静止画として記録する媒体ですので、手描きの絵画情報では残せないような、幾何学的に正確な画像が残るようになりました。したがって、橋を主題とした写真は、撮影時点に実在していた橋を記録した歴史資料の意義があります。専門的な写真家だけでなく、多くの一般の人も橋にカメラを向けました。撮影者が分かる場合はクレジットの扱いができます。しかし、絵葉書なども含め、書籍からの引用では不明のことが少なくありません。橋本体は、肖像権が無い事物とみなし、また利用目的が主に技術者教育にありますので、著作権については考えていません。これらの画像集合は、同じ橋について重複もありますので、その中から、橋の特徴が良く分かる点数を絞り、日本では都道府県別、世界では国別にまとめて画像目録に編集しました。WEBで公開しているPDF版へのアクセスは下の表から入ります。

ファイル名

内  容

概略ページ数

都道府県別

北海道から沖縄県なでの47都道府県別ファイルの他に、瀬戸内海に面する6県に跨る本四連絡橋、東北などの地域単位を含みます

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世界の国別

世界中には多くの橋があるのですが、日本からは離れていることと、土地勘も無いこともあって、有名な観光対象の橋の画像が主な対象です。ドイツ・フランス・米国・カナダ・中国などは、国土が広く、橋の数も多いのですが、州別に分けるまではしていません。小さな国の情報は、複数国をまとめました。

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2. 絵画を主とした一覧情報

 明治以前、橋の実態は、絵師、つまり画家が描いた絵画でしか紹介できませんでした。それらの絵画は、元画一点だけでしたし、王侯貴族や寺社などで保存をしていましたので、一般庶民が実物を見る機会は殆ど限られていました。明治以降、これらの絵画は美術館で保存と展示が図られ、また目録などで紹介されるようになって、広く知られるようになりました。
ファイル名

内  容

概略ページ数

画家が描いた橋

モネ・北斎・広重、絵画は画家の恣意が入りますので、必ずしも正確な構造が描かれていないことも多く、また、現実に存在していない仮想の図柄もあります。しかし、橋の技術史を辿れる意義がありますので、写真情報と並列に扱うことにしました。

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3. 種々の橋の画像集

 ここで紹介する橋の画像集は、個人の研究上の成果の一部だけでなく、趣味的に収集した橋の画像を目録様式に整理したものです。有名な橋は、複数の個人が収集対象としていますので、重複があります。それらの中から、橋の特徴を良く表している画像を選んだものが、上記の都道府県別、世界の国別、絵画情報を構成しました。橋梁の専門家のコレクションだけでなく、人文科学の視点から橋を扱った著作も紹介します。
ファイル名

内  容

概略ページ数

切手の図柄の画像集

切手収集の愛好者は日本だけでなく世界各国にいて、全世界の切手を扱うカタログ、例えばアメリカのスコットカタログ、ドイツのミッヒェルが定期的に改訂出版されています。ここにまとめた資料は、橋が描かれた図柄を持つ切手の紹介です。島田がドイツのペンフレンドと資料を交換して集めました。

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松村博の切手の随筆

日本と世界の有名な橋は、郵便切手の図柄に多く採用されています。切手そのものと橋実物の写真とを沿え、それに松村博氏が随筆風に解説を加えたもののシリーズです。雑誌「郵趣(郵趣サービス社)」

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網野善彦

文科系(日本史)の研究者の視点から橋の画像と話題を扱ったものです。筆者島田が名古屋大学に網野教授ととも在籍していた頃に、橋梁工学の教育資料として利用することのお許しを得てまとめたものです。「天の橋地の橋(福音館書)」他の資料と重複して紹介した画像も含みます。

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海洋架橋調査会資料

四国と中国(本州)とを隔てる瀬戸内海を橋で結ぶことは戦後の壮大な長大橋計画でした。その実現には種々の参考資料を集めることから研究を始めました。その中で、長大橋の骨格構造の図面を整理したものです。一般に公開されていない内部資料でした。

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レオンハルト編集の写真集

第二次世界大戦で破壊された橋の復旧と新しくは橋を架設することは、戦後のインフラストラクチャの充実でも最重要課題でした。現在は消滅した戦前の橋がどうであったか、戦後10年までの技術史をまとめたモノクロ写真集の紹介です。

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倉西茂コレクション

橋梁工学の研究者は、橋の写真を35ミリのカラースライドにして保存して学会の講演や教育に利用していました。しかし、カラースライドは色落ちなどが起き、長い年月の保存には向かないことも分かってきました。そこで、1990年代から、5インチのCDを使ってデジタル画像として保存と利用とを図ることが始まりました。ここで紹介するする画像はそのCDから編集したものです。鋼のアーチ橋が主題です

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河村哲男コレクション

ここで紹介するのは、上の倉西コレクションと対照てきに、RC、PCのアーチ橋を主体とした画像です。河村氏の博士論文で利用した画像をCDにまとめて提供してもらいました。

梶川康男コレクション

梶川氏は、日本全国を精力的に回って、橋の写真を多く記録しました。それらを金沢大学からの定年退官の機会にCDに文献集としてまとめたものを目録に編集したものです。を特筆することは、地元の金沢市の橋を主体として紹介してあることと収集してあります。特筆することは、日本の石橋の実情をまとめてあるのが貴重です。

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3. 参考事項

 橋の名前を知っていて、どの川筋に架かっているかの橋名索引は、別の PDF版資料にまとめてあります。こちらは、橋梁史の見方で蓄積された藤井資料を情報源としています。過去に存在し、補修の記録や、現在は廃橋になった橋名も年代順に集めてあって、言わば橋の戸籍謄本の性格があります。この文書資料は、現時点で実在する「川を渡る橋の情報」を参照することに目的があります。