1.6 設計に利用する座屈照査式
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腹板の応力は直線的な分布をする曲げ応力と等分布せん断応力の組合わせになりますが、これは等分布圧縮応力・純曲げ応力・等分布せん断応力の三種の組合わせと等価と置きます。
図3 腹板の面内の応力分布の重ね合わせ
ここで、
とおけば、等分布圧縮応力と等分布せん断応力の組合わせは近似的に
純曲げ応力と等分布せん断応力の組合わせでは近似的に
が成り立ちます。そこで、等分布圧縮応力・純曲げ応力・等分布せん断応力の組合わせでは、上の二つを組み合わせて、近似的に下のようにまとめます。
安全率を ν とし、式-8を代入して整理しますと
σx、σy、τが同時に作用するとき、合成される最大応力の実用計算式は
で表されます。ここではσy=0を代入します。これより、理想合成座屈応力は次式になります
実際の構造部材では溶接による残留応力が存在し、降伏点に達するまでに局部座屈を生ずる危険があります。これを考慮するため座屈パラメータRを乗じます。
式15を t/b について解くと座屈照査の次式が得られます。ただし、kσ、kτは、座屈係数であって、それぞれ、垂直応力度、せん断応力度に対するものです。
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