2. Windowsのプログラミング一般

2.1 ウインドウ各部の名称

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 Windowsの OSの下で動作するプログラムを作ること(Windowsのプログラミング)は、そのプログラムを動作させるための環境をウインドウ図形に集約させます。単純に理解するには、一つのウインドウが一台のコンピュータのモニタを代表させると考えることができます。例えば、全く独立した二つ以上のアプリケーションのウインドウを表示させておいて、別々に作業をすることができます。DOSの環境では、一回に一つのプログラムしか走りませんので、モニタを分割して利用する考え方がありません。Windowsの場合であっても、システムとしては一つのコンピュータですので、見掛け上複数のプログラムが走っているように見えても、実質的にはどれか一つのプログラムしか走りません。どのプログラムを走らせるかを切り替える一般的な方法は、そのウインドウをクリックで選択します。

 一つのモニタ画面に、寸法のまちまちな複数のウインドウを表示させるとなると、ユーザー側がウインドウのデザインをしなければなりません。ユーザは、Windowsシステムが動作を保証してくれる種々の部品を使って、ウインドウそのものの幾何学的デザインからプログラミングしなければなりません。Windowsのプログラミングの環境は未だ未成熟な面が多くありますので、現状では一般ユーザに対してもシステムエンジニア並みの知識が要求されています。

 最初に基本として覚えなければならないのは、ウインドウを始めとする部品(オブジェクト)の種類・名前・機能などの予備知識です。これには、VBの入門書が数多く書店に並んでいますので目移りします。それらは、成るべく多くの内容を総花式に盛り込むようにしてありますので、ある目的(これもobject)意識を持ってプログラミングをしたい場合には使い難い面があります。ここではグラフィックスのプログラミングをすると言う具体的な目標がありますので、そこに焦点を合わせて解説します。

 VBのプログラミングでは、少なくとも一つの作業用ウインドウを準備します。これをVBの用語ではオブジェクト名としてフォーム(Form)と呼び変えます。そして、フォームに種々の部品を付属させるという考えを採用します。フォーム、つまりウインドウの図形は標準化したデザイン(形)とレイアウト(配置)とが決められていて、付属させる部品も標準化した呼び名(名称)が付いています。これらの部品は、さらに細かな部品を付属させます。個々には多少のデザインの選択ができますが、基本的な使い方に決まりがありますので、多様なデザインのフォーム図形であってもユーザーが使い方に困らない、というのがGUIの謳い文句になっています。基本のウインドウ図形は下のような部品の図形から構成されます。

 図1 ウインドウ各部の名称
[Windows 95 API バイブル、翔泳社、1996、ISBN 4-88135-430-2 C3055、p4より]


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