短歌は、歌会のような人の集まる場、現代では何かの印刷物の中でも紹介されます。そこは社交の場でもあります。一つの運営方法は、表題を決めるか、主催者または主賓として招待された人が、話題提供の発句を提示します。参加者がそれを受けて述部を追加する句を寄せます。これが連歌の形式です。発句は五七五で止める形にしますが、参加者が七七部を継ぎ足す形で楽しむのが連歌です。この発展として、参加者も五七五で繋ぐことが俳句の方の歌会です。一般大衆の音曲に寄席芸としての都々逸(どどいつ)があります。昭和の年代まではありふれた演目でした。この音律は、七七七五調です。これ以外の変形調もありますが、七五調を踏まえ、さらに音楽的には三味線の伴奏に合う8拍子で歌われます。また、狂言と謡曲(うたい)があります。仕舞の演舞に合わせて歌い、能楽と言われます。武家社会では謡曲と仕舞いは主に自己修養的に演じました。その文体は、七五調こだわらず、候文など、修辞話法を駆使しています。声に出して朗詠する楽しみ方が基本です。もう一つ、平家物語の文章に節をつけて、楽器の「平家琵琶」の伴奏での語りがあります。これらは、伝統的な日本文化として継承したいものです。なお、英語のラップは語りの音楽です。 |