目次ページ 前ページ 次ページ |
14. 実践的な作文教育 |
14.2 言葉を吟味して使う |
14.2.6 「〜ので」をなるべく使わない |
論理的な作文を意識すると、原因を解説する文と、それを受けて、結果を説明する文が続きます。その接続の個所で、原因を表す文の最後に「〜ので」を加え、結果の説明文をつないで、全体を長い一つの文にすることがあります。例えば、「走ったので疲れた」がそうです。この文は、実際に「走った」ことと「疲れた」こととが時間的に連続していることを表しています。したがって、幾らかぶっきらぼうになりますが、「〜ので」を省いて二つの文に分けて「走った。疲れた。」としても不自然になりません。一方、「走れば疲れる」、「走ったら疲れた」の形は、通称で「れば・たら」文と言います。前者は動詞が現在形であって、これから走るか走らないかは決まっていません。「と」で繋ぐ文「走ると疲れる」と意味は同じであって、これらは文法的には条件文と言います。後者は動詞が過去形ですので、「走ったので疲れた」と同義です。走った事実とその結果を説明した普通の文です。作文教育では、文単位の長さを短くするように指導したいものです。 |
前ページ 次ページ |