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14. 実践的な作文教育 |
14.1 作文以前の一般教養 |
14.1.3 雑学は良質な友人関係でも得られる |
上の項に関係した一つの例をお話しします。筆者は学期末の定期試験のとき、幾つかの常識問題を含ませることをしていました。専門学科の2年生の材料学試験では、「8畳の広さは何坪か?」を加えました。この話題は、一度聞けば済む知識です。日本住宅の環境であれば、4坪の回答は常識です。しかし、正答できない学生も増えています。他の問題で全体点数が合格点であっても、単位の認定をしません。不合格の学生は、翌年の再試験で正答します。この常識問題は、友人関係の話題として伝承されるからです。ところが、中には、三年生の再試験でも駄目、四年生でも駄目、卒業時期になって、必修単位が不足して泣きついてくることがあります。この学生は対面授業への出席も悪く、友人関係にも偏りがあって、一回聞けば済む単純な情報を埋められなかったのです。そこで、単位認定の面接試験のとき、良い友人関係を大切にしなさい、とお説教をすることにしていました。 |
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