目次ページ 前ページ  次ページ

14. 実践的な作文教育

14.1 作文以前の一般教養


14.1.1 話し方の教育から

 言葉は、話し言葉が基本です。話し言葉は一過性の物理現象ですので、後に何も証拠が残りません。社会生活では、即物的かつ実時間的な対話手段は、物々交換が普通です。双方が納得することで決着します。海外旅行では、場面に応じた会話に必要な実用書が利用されます。これは、あくまでも、その場限りです。文法を踏まえ、丁寧で正しい言葉遣いをすると、相手から相応の尊敬を受けます。敗戦後、米軍人を相手に会話をするとき、即物的で単純な単語を並べる英語をパンパン英語と言いました。現在でも、実用英語を習うことが一種の流行です。しかし、時間を充分かけて、教養のある、丁寧で、正しい英語を覚える努力をしたいものです。その前提として、自分自身が使う日本語も、礼儀正しい話し方と書き方の教養が重要です。
前ページ  次ページ