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13. 電子出版を考えた作文

13.2 ユーザインタフェースの多様化


13.2.8 ページ番号を使わない表示

 小説などの文芸作品は、普通、一回、頭から通して読んで終りです。推理小説・探偵小説は、話しの展開を楽しむ読み方をしますので、最後のヒントを先に読むような野暮なことをしません。したがって、ページ番号は製本の補助に利用するだけです。章・節・項の番号や見出しは、付けないか、付けるとしても脈絡を考えるまでの意義付けをしません。一方、専門書は、論理的な筋書きを考えますし、専門用語の参照も必要です。目次と索引は必須です。項目の参照補助には、書籍ではページ番号を使います。この作成は、かなりの手間がかかります。そのこともあって、丁寧な索引の無い出版物が横行しています。この責任は、主に著者が負うべきです。と言うのも、編集者や出版社側は、一般読者の代表であって、著作の中身は判らないとするからです。これらと較べると、元が英文である書籍を翻訳した出版物は、しっかりとした編集がされています。電子出版の場合、索引に使う語をキーワードにして、その説明がある個所にリンクする機能があると便利です。インターネットで発信される文書情報は、ページ分割をしないで、スクロール機能を使って項目を探します。したがって、参照補助にページ番号を使うことをしません。筆者の場合、章・節・項の区別を表す数字を検索補助に使っています。
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