電子化情報は、狭いモニタ画面で閲覧しますので、画面スクロールの機能が使えるとしても、一回の情報量を多くできません。再現性のある電子化データに構築するとしても、実際の利用は、音声と同じように、その場限りです。筆者は、一過性の情報と言うことにしています。狭い画面に文字が並び、それは次の情報を見るときに、記憶に残る以外に何の物理的記録も残らないからです。同じ画面を再度見たいとき、検索の手掛かりが無いと記憶の再現ができないことが起こります。したがって、実用文書は、紙に印刷して情報の確認に利用することも必要です。また、書籍の形になっていると、コンパクトで大量の情報量を持つ媒体であることを、改めて認識する必要があります。科学技術文書の場合には、データを参照するために読み返して利用することが普通です。したがって、目次(table of contents)と索引(index)が無い著作は欠陥作品です。しかし、目次と索引の作成は、全体の原稿を通して完全な原稿であることを確認した上で作業にかかります。これは手が掛かります。実用文書を電子化書籍にする場合には、検索語(キーワード)を指定して、その項目のある「章・節・項」の番号を知り、それを手掛かりにハイパーリンク機能を使います。 |