従来、一般的な文書の1ページ単位の版寸法は、読み易さと取り扱いの便利さから、A4〜A5版に抑えるのが標準です。通勤・通学の電車の中での読書が増えていますので、新書版やA6版も増えました。文字寸法もそれに合わせて10ポイント前後を使用しています。版面の面積から、1ページ当たりの文字数が決まります。図(イラスト)と写真の寸法も1ページ版寸法を越えるものを使いません。例外的に見開きの綴じを挟んで2ページに渡るイラストを使う印刷物を見ますが、親切な表示法とは言えません。一ページ単位のデザインのまま、コンピュータのグラフィックスモニタに表示することが増えました。それも、大画面のデジタルテレビから、携帯電話の小画面のような手の平サイズまで、様々な媒体と寸法とが使われるようになりました。モニタとそれに合わせるブラウザは、三つの機能を使い分けます。第一が、ズーム機能で全体の拡大・縮小ができること;第二が、スクロール機能で、画面からはみ出した部分を選択できること;第三が、索引機能の充実です。若い人は、文字寸法が小さくても不便を感じませんが、年配の人に気を配って、文字表示を大きくし、余分と思われる表示を省く機能も見られます。モニタ画面の特徴に合わせるように表示を変えることも試みられています。これに対応させるため、元原稿の作成から始め、表示用ソフトの機能も考える必要がでてきました。 |