時代が21世紀に入って、あらゆることがIT(情報技術)の加速の影響を受けて、せわしなくなってきました。紙に印刷する書物を扱う出版関係の企業は、2010年から電子出版も模索する時代に入りました。この傾向は今世紀始めから予測されていましたが、それに対応するビジネスモデルの再構築については鈍い動きしかできませんでした。科学技術系の印刷出版機関は、従来、安定した読者層を抱えていたのですが、読者数の減少が経営基盤を直撃するようになっています。この減少は、情報化時代に向かっていることだけに原因があるのではなく、発信する内容の質が低下して、読者が見限ってきたことも大きいのです。と言うのも、質のよい専門情報を知りたい要望がかなり強くあることも、筆者は実感しているからです。その要望は、従来通りの紙の形だけでなく、平行して、電子化した媒体、また古典的とも考えられるようになったマイクロフイルムの再利用なども含め、多様化しています。国立国会図書館が、蔵書の電子化の計画を進めるようになりました。しかし、この対象に専門図書のことは考えに無いことに注意が必要です。筆者は専門教育の現場にいましたので、講義用の軽印刷テキストを多く作成してきました。定年後、これらを元に、インターネットで自己発信する形式に挑戦しています。この経過を教育に反映させた経験を説明します。 |