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11. 文章作法 |
11.5 感覚と感情の表現を使わない |
11.5.4 評論・解説・訓示・挨拶が書き難い |
何かの題目を取り上げて、評論や解説をまとめることは、教育的な目的もありますので、著者の感情を入れない表現ができます。ただし、その題目を選んだ過程に著者の主観が入るのは仕方がありません。著者の私見が入る場合も、他の論説と並列に扱う注意深さが要求されます。これに対して、社会システムの場では、上下関係に基づいた通達・訓示・挨拶・儀礼などの文書が必要になります。これらの文書では、感情表現が入りますが、それを個人の発信形式にしない文章工夫が見られます。動詞の受身形の多用、先哲の言葉の引用などがそうです。新聞の社説、天声人語で代表されるカラム、雑誌に見られる巻頭言などは、著者の作文苦労を想像しながら読む、皮肉な方法があります。 |
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