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11. 文章作法

11.4 句読点の使い方など


11.4.5 修飾目的の句はコンマで区切らない

 修飾目的で付属させる文節の代表が、英語では、名詞を修飾する関係節です。日本語では、「専門用語を説明したいとき、連体形で繋いだ長い文字並びを使う例、があります(第11.3.5参照)」。上の「」で区切った例文は、主語が「例」です。修飾に使う副文節は、動詞の「使う」まで、下線を引いた部分です。これが英語ならば関係分詞で説明する部分です。これは、修飾が入れ子式に使われていて、「文字並び」を修飾する語がさらに先行しています。ここで、「繋いだ」は動詞、「長い」は形容詞の連体形であって、日本語では用言にまとめる語です。2語並んでいますが、前項で説明した規則を適用して、間にコンマを入れません。加えて、この修飾句を省くと、この文全体の意味が不完全になりますので、コンマの挿入を控えます。上の日本語例文では「が」の前にコンマを入れました。これは筆者の恣意であって、省略できます。

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