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11. 文章作法

11.4 句読点の使い方など


11.4.3 コンマで区切らない場合

 英語の文法用語を、日本語訳で引用するときの約束を紹介しておきます。英語のsentenceとは文単位のことです。その物理的定義は、文頭を大文字で始め、終りをfull stopで区切ります。文の論理的な中身は、一つ以上のclause(節または文節)の集合です。文節は、一つの主部(subject)と一つの述部(predicate)とで構成します。主語と述語と解釈してもよいのですが、複数の語並びの集合を意味する主部・述部の言い方がよいでしょう。英語の語順はSVOであると言い、述部にVOを含みます。文節は2種類に分けます。主文節(main clause)は、主部と述部の対を持ちます。従属文節(sub- ordinate clause)は、主文節に付属させて使います。こちらは、句(phrase)の形になって、修飾目的に使うのが一般的です。最も単純で基本的な文は、一つの主文節だけで構成します。主語、動詞、目的語がそれぞれ二つまで使うときは接続詞(and, orなど)で繋ぐことをしても、コンマで区切りません。三つ以上の塊になるとき、二番目以降、最後尾を除き、コンマで区切ります。一つの文が二つ以上の主文節を持つ場合が複文です。コンマで区切る並列の書き方が基本ですが、最後尾の文節は接続詞を追加してコンマで区切ります。日本語の基準は、主題または主語を表示する語の直後に読点を付けます。

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