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11. 文章作法

11.3 文法的な正確さで書くこと


11.3.2 主語は名詞を当てる

 一つの文は主語で始め、その主語は名詞を当てることが普通です。日本語(和語)では、名詞と言えば具体的な人や物を表す言葉を指し、訓読みをします。しかし、抽象名詞は、その種類が少なく、大部分を漢字用語に頼り、それを音読みで使います。文字並びで作文するときも読むときも、漢字部分を訓で読むか音で読むかの区別を一瞬で決めることができる理由は、そこに規則があるからです。日本語のテキストを音声合成で読み上げさせると、かなり正確に発声してくれます。しかし、別の発音をすることも起こります。慣用の重箱読み湯桶読みは、辞書に登録されて参照できます。このソフトウエア的な扱いを知識ベース、さらには人工知能として研究するようになりました。これで扱うことができない用語があり、その大部分は固有名詞(地名や人名)と関係しています。日本語ワープロには振りガナを書き込む機能があります。しかし、英語版のHTMLのタグには定義がありません。したがって、テキスト形式のファイルを読み上げソフトに利用するときの標準的なデータ構造は決まっていません。科学技術文書は新しい用語を使うことが増えますので、読みの約束も添えた索引機能を丁寧に作成します。

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