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11. 文章作法

11.1 外国人に日本語を教える


11.1.4 「です・ます調」は未だ少数派である

 「である調」と「です・ます調」の違いは僅かであって、文末だけで区別できます。しかし、「です・ます調」の文体で書く人は、現在の時点(2013)では、まだ少数派です。筆者の原稿を扱ったある出版社は、好意的?な配慮から、無断で「である調」に原稿を書き直してくれたことがありました。そこで、元の「です・ます調」に戻してもらうために一悶着がありました。この無理?が言えるようになったのは、筆者がほどほどの年寄りになったためです。とは言っても「です・ます調」の欠点が幾つかあります。まず、文字数が増えます。形容詞の終止形の納まりが悪く、口調を整えるための工夫が要ります。例えば、書き言葉では「美しい」と切って言えますが、話し言葉では、ぶっきら棒に聞こえます。外国人が使う場合、英語の形容詞をbe動詞と共に言う習慣ですので「美しいです」の表現を自然に使います。小学生の作文でも、大目に見られています。

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