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11. 文章作法

11.1 外国人に日本語を教える


11.1.2 日本語教育が新しい時代を迎えている

 敗戦前まで、植民地政策の一つとして日本語教育が研究され、また実行もされていたことを理解しておきます。時枝文法で有名な言語学者であった時枝誠記(1900-1967)は、朝鮮語の廃棄を提案した国粋主義者でした。敗戦後は、海外からの留学生を受け入れる課程の中で、日本語教育が見直される時代になりました。外国人だけでなく、帰国子女にも日本語の再教育の方法が必要になっています。さらに、コンピュータを擬人化し、コンピュータに話しかけ、理解して何かを実行してもらうことの研究が進むようになり、言語学も新しい転機を迎えています。英日・日英の自動翻訳の研究もその一つです。文書テキストを発声させる試みは、表音文字を使う英語では、かなり以前から実用されていました。この課題は、眼の不自由な人にも、文書を読み上げて情報を伝える目的もあります。しかし、日本語での取り組みは、未だ多くの課題が残されています。

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