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10. 英語と日本語の文構造 |
10.4 英語と日本語とでの動詞の違い |
10.4.5 動詞の時制を区別する言い方 |
英語の文書を翻訳することが多くなって、動詞の時制を区別する日本語の言い方にも正確な対応が必要になっています。日本語では時制を区別する言い方が不十分であるとされていますが、面白いことに、活用形に時制が含まれています。文語の活用形の分類は、未然形と已然形があります。未然形とは、「未だしからず」であって、一種の未来形です。まだ動作は始まっていません。これから動作を起こす使役を言う「…せる、…させる」または「…(し)ない」と繋ぎます。已然形は、「すでにそうなった」の意義ですので、過去形の意義を持ちます。口語文法では、紛らわしいのですが「仮定形」と言い換えています。仮定形の標準的な言い方は、語尾に「…たら」と繋ぎます。これは、「過去の或る時点ではそうでなかった」ことを言います。正確に言いたいならば、仮定を未来の予測に使う言い方は「…れば」です。こちらも、現在の時点で「するか・しないか」が決まっていない状態です。こちらは条件文と言い、英語ではconditionalです。接続詞のifを使う例が多いので仮定法の言い方になったようです。 |
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